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インプレッション GIANTレースバイクの最高峰!最新TCR ADVANCED SLをインプレ

GIANT TCRは常に世界のレースシーンとともに進化をしてきた。
今回「第10世代」となった新型TCRは一体どのように進化したのか、スタッフのインプレッションを交えてお届けする。

 

今回インプレッションしたのはハイエンドモデルのTCR ADVANCED SL 0

TCR ADVANCED SL 0

フレームセット、ホイール、コックピットなどを1つのシステムとして同時に設計、開発、テストされた第10世代のTCR。Contact SLR AeroLightステムとContact SLRハンドルバーに内装ケーブルルーティングが組み込まれ、トップキャップからスペーサーまで統合され、よりエアロなセットアップが実現された。前世代に比べてー4.19Wのエアロアドバンテージを得たと謳われている。

ハンドルバーはGiant Contact SLR がセットアップ。ブラケット位置で370mm、下ハン部分で400mmとフレア形状。
バイク全体の空力性能を向上させるだけでなく、昨今ではライディングポジションによる空力まで総合的に考えられた結果、このようなフレア形状のハンドルバーが増えてきた。

今回アッセンブルされたパーツの中で特徴的なのは既に発表されていたCADEX MAX 40ではないだろうか?インプレッションしたタイミングではまだ店頭に入荷していなかったホイールだが、TCRとの組み合わせでどのような乗り味になるのか気になるところ。

カーボンスポークとカーボンフランジが一体成型され前後輪で1249gの超軽量でありながら高い横剛性を実現したCADEX MAX 40のインプレッション記事はこちら

タイヤはCADEX Race GC、700×28c。220TPIで重量は公表値で279gと軽量。

参考までにcontinentalのGP5000S TRは700×28c、2層220TPIで280g、vittoriaのCORSA PROは700×28c、Corespun 320TPIで295gと他社の同等クラスと比較しても引けを取らない。むしろ価格面を考えるとコスパの良い部類と言える。

重量以外の性能面では、「転がるGP5000」、「しなやかなCORSA」なようなわかりやすい特徴は無いが、転がり抵抗、グリップ、軽量さ、耐久性など全体のバランスが良い。タイヤブランドとして大きく取り上げられる機会は少ないように思うが、隠れた名タイヤと言っても良いだろう。

ホイールで知名度を上げているCADEXブランドだが、製品ラインナップは先述のタイヤに加え、ハンドルバーやステム、サドルなど多岐にわたる。
TCR ADVANCED SLにはそのCADEXブランドの「AMP」サドルが取り付けられている 。

サドル幅は145㎜、ベースとレールが一体化したカーボンモノコック構造で約130gと軽量でありながら路面からの衝撃が大きく軽減される快適性の高さが秀逸。

余談だが、あまりにもインプレ時の印象が良かったため、その後自分のバイク用にも購入したほど。個人的一押しアイテムでもある。

スタッフによるインプレッション後のコメント

ファーストインプレッションは「軽い」

公表値はMサイズで6.4kg、明らかに持っても軽いのはわかりましたが、乗ってみての第一印象も「軽い」でした。

ただ、印象としては数値上の軽さよりもさらに「軽い」イメージです。ホイールやタイヤといった回転部分が軽いこと、リア三角部分のフレームも昨今のエアロ形状のバイクと比べると軽く、引きずられる感覚は皆無です。癖もないですね。さらにサドルも軽量で振りも軽い。だから全体的なイメージとしてはとにかく「軽い」。言葉にすると物足りない感じかもしれないですが、突出した軽さというのが第一印象ですね。

特に信号ストップなどから発進して40km/h台まで加速するのはかなり速いです。サイコンを見て「あれ?もうこんな速度上がってる?」という変な錯覚を感じるくらい立ち上がりは速いですね。いわゆる掛かりが良いバイクです。レースなどでの瞬間的な加速が非常に得意なバイクだと思います。

快適性の高さが秀逸

数年前までの軽量ハイエンドバイクはパリッと乾いた感じの印象のものが多かったですが、このTCRは乗りやすいという印象が強いです。その理由は2つあると思っていて、1つ目は振動吸収性が高いことです。ISP(インテグラルシートポスト)なのに突き上げ感もあまりなく、むしろマイルドに感じるのはフレームはもちろん、サドルやホイール、タイヤなどいくつかの要素が組み合わさって実現しているのだと思いますが、そのバランスが非常に良いからでしょう。もう1点はコントローラブルであることです。特にコーナリング時にはフォークの変な挙動やクイックさは全くなく、狙ったラインで曲がることができました。これらが総じて「乗りやすい」という印象になるのだと思います。

ダンシングの軽さ=登りやすさに直結

またダンシング時の振りがすごく軽いのもこのTCRの特徴の一つですね。ISPであることに加えてサドルが軽量、さらにフレームやリムの軽さも相まって、特に斜度のある坂でのダンシングは非常にしやすかったです。

フレアハンドルって良いかも

ハンドルはブラケット位置(上側)で370㎜、下ハン(下側)で400㎜というサイズということで若干フレアしているのですが、これが思ったより良かったです。巡行時にはブラケットポジションを取ることで空力は良くなりますし、下ハンを持った時はコントロールしやすく走りが安定します。多少の慣れは必要ですが、ここ数年でフレアしているハンドルが増えてきている理由が分かった気がします。

まとめ

とにかく軽い。さらに快適性が非常に高く扱いやすい1台でした。

完成車パッケージで見るとヒルクライムなど登りで活きるオールラウンダーバイクですね。

また掛かりが良いこともあり、クリテリウムのようなインターバルのかかるレースにも良いと思います。一方である程度の速度域まで達した場合、もう少し伸びが欲しいというのが正直なところ。その場合はCADEX 50ULTRAなどホイールを変えてみるのがベターだと思います。

 

TCR ADVANCED PRO 1との比較

もう1台乗り比べとして選んだのはミドルグレードのTCR ADVANCED PRO 1。

TCR ADVANCED SL 0と異なるのは、フレームのグレード、ISPではなくVariantシートポスト、ホイール(新型のGiant SLR 1 40)、そしてコンポーネント(シマノ105Di2)など。

登りや軽さという面では、TCR ADVANCED SL 0と比べると重量差は感じるけど、それでも結構登れるバイクだと思います。初速や掛かりはもっさり感が否めないですが速度がある程度まで乗ってしまえば維持しやすいバイク。価格がSLの半分以下だと考えると充分すぎるスペックですね。どっちを買うかと言われたら非常に悩ましい。。。

全体的な乗り心地はマイルドで安定感があります。また新しいSLR1 40というホイールが想像以上に良いです。もちろんCADEXは良いけれど、これはこれで良いホイールですね。ロングライドであればADVANCED PRO 1を選ぶかもしれません。

 

 

 

TCR ADVANCED SL 0

フレームサイズ: S
カラー:ブラックラバ
フレーム :Advanced SL-Grade Composite, 12x142mm thru-axle, integrated seatpost
フォーク: Advanced SL-Grade Composite, full-composite OverDrive Aero steerer,12x100mm thru-axle
ハンドルバー: Giant Contact SLR S:37/40cm
ステム:Giant Contact SLR AeroLight S:90mm
シートポスト :Giant Integrated Seat post, -5/+15mm offset
サドル :CADEX AMP
STIレバー :Shimano Dura-Ace Di2
フロントディレイラー: Shimano Dura-Ace Di2 FD-R9250
リアディレイラー:Shimano Dura-Ace Di2 RD-R9250
ブレーキ:Shimano Dura-Ace Di2 hydraulic, Shimano RT-CL900 rotors [F]160mm,[R]140mm
カセットスプロケット:Shimano Dura-Ace, 12-speed, 11×34
チェーン:Shimano CN-M9100
クランク: Shimano Dura-Ace, 36/52 with Shimano FC-9200P power meter S:170mm
ボトムブラケット: Shimano, press fit
ホイール:CADEX Max 40 Wheel System, [F]40mm, [R]40mm
タイヤ:CADEX Race GC, tubeless, 700x28c
タイヤ最大クリアランス:33mm
重量:6.4kg
価格:¥1,540,000(税込)¥1,400,000(税抜)

 

TCR ADVANCED PRO 1

フレームサイズ:S
カラー:カーボン
フレーム:Advanced-Grade Composite, 12x142mm thru-axle
フォーク:Advanced SL-Grade Composite, full-composite OverDrive Aero steerer, 12x100mm thru-axle
ハンドルバー:Giant Contact SL  S:37/40cm
ステム:Giant Contact SL AeroLight S:90mm
シートポスト:Giant Variant, composite, -5/+15mm offset
サドル:Giant Fleet SL
STIレバー:Shimano 105 Di2
フロントディレイラー:Shimano 105 Di2 FD-R8150
リアディレイラー:Shimano 105 Di2 RD-R8150
ブレーキ:Shimano 105 Di2 hydraulic, Shimano SM-RT70 rotors [F]160mm, [R]140mm
カセットスプロケット:Shimano 105, 12-speed, 11×34
チェーン:KMC X12L-1
クランク:Shimano 105, 36/52 with Giant Power Pro power meter  S:170mm
ボトムブラケット:Shimano, press fit
ホイール:Giant SLR 1 40 WheelSystem, [F]40mm, [R]40mm
タイヤ:Giant Gavia Course 0, tubeless, 700×28, folding
タイヤ最大クリアランス: 33mm
重量:7.4kg (XS)
価格:¥682,000(税込)¥620,000(税抜)

今回のインプレッションライダー

スタッフ:井東

【八王子のスポーツバイク専門店】THE BASE 南大沢店ではGIANT製品を取り扱っております。
またロードバイクに精通しているスタッフがロードバイクはもちろん、アパレルや各種アイテムのご購入のお手伝いをさせていただきます。

(TEXT&PHOTO スタッフ長野)