営業時間 月~金:12:00~20:00 土日祝:10:00~20:00

インプレッション 高いエアロ効果を誇る3T EXPROLO RACE を スタッフ唐見がインプレ

2017年、それまでエアロという概念の無かったオフロードのカテゴリーにエアロコンセプトをふんだんに盛り込んだバイクを送り込んだイタリアンブランドの3T。

かつて、サーベロのデザイナーとして活躍したジェラード・ブルーメンによるデザインは、極太のダウンチューブをはじめ他のグラベルバイクとは一線を画した抜きん出た一台となった。

昨今のホイール&タイヤサイズのワイド化に伴い、あらためてフレームデザインを見直したのが今回のインプレッションバイクのEXPLORO RACEだ。

より速く、より快適なグラベルバイクとして登場した3TのEXPLORO RACEを、2021年に日本で開催された3Tのグラベルイベント「JEROBOAM JAPAN」でも300kmのグラベルを走破した、スタッフ唐見によるレポートを交え紹介しよう。

3T EXPLORO RACE

・3T EXPLORO RACE GRX 2x 51 オレンジ/グレー

 

今回のインプレッションライダー

唐見さん
スタッフ:唐見

 

3T EXPLORO RACE GRX 2x

700cホイールで42mm、650Bホイールでは61mmの最大タイヤ幅を想定*し、タイヤ幅に合わせダウンチューブの横幅サイズを設定。ホイールから後方へと流れる空気の流れを整える効果を得ている。

さらにダウンチューブのボトルケージ台座が収まる部分はボトルサイズにも合わせワイド化。ウォーターボトルをダウンチューブ、シートチューブに取付けた際に最も空気抵抗が少なくなるというエアロロードさながらのデザインコンセプトを採用している。

*あくまで目安。タイヤとホイールの組合せにもよる。

3T EXPLORO RACE
グラベルバイクとしては異次元の太さのダウンチューブ。

3T EXPLORO RACE

ダウンチューブ下部にはストレージを追加できるようボトル台座が設けられている。

太いダウンチューブとは対照的に、細いデザインとなっているのがフロントフォークとシートステーだ。これは前面投影面積を可能な限り少なく、かつ路面からの衝撃を効率よく吸収するように設計され、これまでの3Tのバイクに共通する快適性の追求がここにも表れている。

3T EXPLORO RACE
エアロ効果を追求し、ミニマルなデザインとなったフォーククラウン。

3T EXPLORO RACE
700cホイールでは42mm、650Bホイールでは61mmの最大タイヤ幅を想定している。

EXPLORO RACEではコンポーネントの違いにより、ラインナップに幅を持たせている。今回インプレッションで使用したのは、SHIMANOのグラベル用コンポーネントのGRX。チェーンリングをダブルとし、長めの舗装アプローチでの使用に扱いやすいギヤ比は幅広い使用環境に対応でき、グラベルだけでなくオンロードにおいてもフレームのエアロ効果を体感できるようになっている。

3T EXPLORO RACE
ダブルのチェーンリングを採用したGRX 2x モデル。

3T EXPLORO RACE
安心感のあるSHIMANO GRXを採用。

コンタクトポイントのハンドル周りには3TのSUPERERGOとAPTOを採用。統一されたブランドでまとめられており、ステムトップキャップにある3Tのロゴも収まりが良く感じる。

シートポストにはヤグラをリッチー製とする事で、確実にサドルを固定。シートチューブから続くエアロデザインのシートポストで後方への空気の流れを整えている。

3T EXPLORO RACE
3T SUPERERGOハンドル とAPTOステムがアッセンブルされている。

3T EXPLORO RACE
ラバーキャップで覆われるシートクランプ部分。

FASTEST GRAVEL をキャッチコピーとしたEXPLORO RACE。

グラベルバイクが各社から続々とリリースされてくる中でも一際目立つ個性的なデザインに隠されたエアロ効果。

グラベルにおいても速く走るために生まれた”エアロ”グラベルバイクだ。

スタッフ 唐見 コメント

イタリアン・デザイン

まず、イタリアらしい斬新でこだわりのある特徴的なカラーリングに惹かれました。

フレームの造りとしては、極太タイヤが付けられるので、オフロードの乗り心地を良くする事ができる。長距離のグラベルを走ると、常に路面からの衝撃を身体に受ける事になります。太いタイヤは、そういった衝撃による疲労感を抑えてくれるから恩恵が大きい。素晴らい景色が続くロケーションのグラベルを走る時は、ついつい頑張ってしまうもの。気が付くと全身にダメージを受けていたりという事も多い。太目のタイヤならより快適に走る事ができるので、メリットがあります。

 

3T EXPLORO RACE

高い巡行性に繋がるエアロフォルム

オフロードにフォーカスしたバイクだと、巡行域を維持するのに苦労する事もありますが、EXPLORO RACE はエアロ効果を採り入れたフレーム形状からか非常に気持ち良く巡行域で走る事ができました。オフロードバイクなのに思いのほか巡行に強いバイクという印象。

また重量感の割に走ると軽く、完成車で使われているアルミホイールを、よりエアロ効果の高いカーボンホイールに替える事で更に走りも軽快になるかと思います。

3T EXPLORO RACE

実戦的なダブルギア仕様

グラベルバイクのフロントチェーンリング、シングル仕様のバイクとダブル仕様のバイク、各社それぞれ様々なコンセプトでバイクをリリースしています。

3TのEXPLOROシリーズもダブル仕様、シングル仕様とバリエーションが用意されています。今回のインプレッションバイクはフロントダブルのモデル。オンロード、オフロード、アップダウンなど様々なロケーションで道を選ばず適正なギアを選択できるのがダブルギア仕様のメリット。700Cホイールに太目のロードタイヤを組合せてロードツーリングにも使えるし、グラベルを嗜みたい時はグラベルタイヤを組合せロード&グラベルツーリングにも出かけられる。幅広い要望に応える仕様だと思います。

また、オフロードに主眼を置いた場合はフロントシングルでリアスプロケットを超ワイドにするのも扱いやすい。時速10km程度で走行するグラベルの登り坂では、さほどシフトチェンジする事も少なくなります。主に走る環境でフロントダブルかシングルかは選択すると良いと思います。

 

 

3T EXPLORO RACE

バイクパッキングとしての用途は?

専用のリアフェンダーを取付けられるマウントはあるものの、”RACE(レース)”を謳うだけあってキャリアマウントなど、フロントフォークやリアエンドのダボが無くバイクパッキングを考えるのは少し厳しいという印象。

フレームバッグ、大型のサドルバッグそしてフロントバッグでの荷物の積載が主になるかと思います。

また気になった点としては、ブレーキホースや変速ケーブルがステムあたりに飛び出ていて、ハンドル回りも少し重たくもっさりと感じました。

3TのロードバイクであるSTRADAはケーブル周りがインターナルケーブルルーティングにアップデートされているので、次期モデルに期待という所ですね。

 

3T EXPLORO RACE

おすすめポイントを一言で

グラベルっぽくないエアロで戦闘機のような形状。流線型のフォルムがカッコいい。

他には無いデザインというのは、3Tのバイクの一番の特徴と言えるかと思います。

3T EXPLORO RACE

3T EXPLORO RACE GRX 2x

フレーム:3T EXPLORO RACEMAX
ギアクランク: SHIMANO GRX 46-30t
F.ディレーラー:SHIMANO GRX
R.ディレーラー:SHIMANO GRX
シフター:SHIMANO GRX
ブレーキセット:SHIMANO GRX
ブレーキレバー:SHIMANO GRX
ギア:11-36t
ハンドルバー:3T SUPERERGO PRO
ハンドルステム:3T APTO STEALTH
ペダル:なし
ホイールセット:WTB SERRA 700c
タイヤ:Schwalbe G one 700c *インプレ時ものとは異なります。
チューブバルブ:仏式バルブ
付属品:ボトルケージ
THEBASE 3T 在庫ラインナップ