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乗った瞬間に答えが出る。GIANT DEFY ADVANCED SLをインプレッション。「これがいいじゃん」を実感する一本

軽さ、快適性、そして走りの満足感が高い次元で両立されたロードバイクを探しているなら、GIANT DEFY ADVANCED SLは強力な候補だと思う。「これでいい」ではなく、ためらいなく「これがいい」と感じさせる完成度。ロングライド、ヒルクライム、ゆるポタまで一本でこなしたい人にこそ刺さる一台だった。

インプレッションの経緯

GIANT様より試乗車を貸していただけることになった。今までも何度か試乗車をお借りしたことはあったが、今回のコンセプトは「異なった3種類のタイプを乗り比べてみる」というものだった。

3種類といえば、TCRとPROPEL、そしてDEFY。それぞれTCRはヒルクライムよりのオールラウンドバイク、PROPELは空力の良さが売り。直近ではかなり軽量になったこともあり、ロードレースやクリテリウムのようなレースならこれ。そしていわゆるエンデュランスバイクとして位置づけられているのがDEFY。ということだが、TCRやPROPELはレースバイクとしてもよく知られているし、THE BASEでも過去にインプレッションをしたことがある。

そんな中、今回THE BASEスタッフがこぞって気になっていたのはDEFYだった。

エンデュランスバイクのADVANCED SLグレードという最高峰バイクは一体乗り味はどんなものなのか。そして32Cタイヤ、D-Fuse SLRという見た目にも振動を吸収してくれそうなシートポストの組み合わせは走りにどう影響するのかが気になっていた。

正直、ショップスタッフとしては各ブランドのハイエンドバイク=レースバイクについては試乗するケースが多いのだが、フレーム形状やジオメトリ、パーツアッセンブルから何となく「こんな感じの乗り味なんだろうな」と思いながら乗ることが多く、その事前予想を大きく裏切られることはそうそう無いのが事実。がしかし、レースという軸とは一線を画していながら、「ハイエンド」という位置づけのDEFYには不思議な期待感を抱いていたし、周りのスタッフも同じ気持ちだったのだろう。

要点まとめ

  • フレーム:Advanced SLグレードのカーボンで高剛性と振動吸収を最適に両立。
  • シートポスト:D-Fuse SLR。独特な形状で縦方向のコンプライアンスを確保しつつ軽量化も実現。
  • タイヤ:試乗時は32Cチューブレスレディ。空気圧をやや高めに設定すれば28Cに近い軽快さ。
  • 乗り味:程よい“タメ”とバネ感があり、疲れにくく気持ちよく走れる。TCRのような高い反応性というよりは、扱いやすさと安定感が秀逸。
  • 用途:ロングライド、ヒルクライム、日常のサイクリングを一本で楽しみたい人に最適。レース志向ならシンプルにPROPELやTCRを検討したほうが良い。

詳細インプレッション

初動からの加速は素直で無駄がない。踏み込んだ力がしっかり前に伝わり、しかし反応が鋭すぎて神経を削るようなことはない。TCRの近年の味付けは「クライミング寄り」「反応が鋭い」傾向があり、瞬発力や俊敏さで魅せるが、DEFYは反応の良さを残しつつ“タメ”があるため長時間乗っていて気持ちがいい。

平地巡航ではフレームとD-Fuse SLRの組み合わせが路面の振動をうまくいなし、疲労蓄積が少ない。32Cチューブレスを高めの空気圧で運用すれば28Cに近い軽快さが出るため、ヒルクライムや高速巡航での伸びは損なわれない。一方で空気圧を下げれば路面追従性が増して路面の突き上げが和らぎ、長距離での幸福感がぐっと高まる。空気圧やタイヤ選択で性格を振れる許容の広さが大きな魅力だ。ただし、グラベルバイクとして使えるかと問われた場合、答えはNoに近い。ダメではないがGIANTにはREVOLTというグラベルバイクがあるし、DEFYの主戦場はあくまでロード。ロードバイクとして乗った時に最もその良さを感じるのだ。

登りでは軽さが生きる。ペダリングに対する追従性が高く、踏み込むと素直に前に出てくれる。ヒルクライムでの取り回しや加速感は満足度が高く、タイム狙いでも楽しめる資質を持つ。下りやコーナリングは安定志向で安心して速度を乗せられるが、ピーキーな反応を求めるレーサーには若干物足りなさを感じるかもしれない。それでも正直、「ここまで登りが楽だとは思わなかった」というレベルで登れるバイクだった。レースには出ないけれど、峠やヒルクライムポイントなど普段のサイクリングで「登る」ことが好きという人には最適な1台だと感じた。

他モデルとの位置づけ

  • TCR:近年は「よりヒルクライムへ特化」したような反応が鋭く軽快な実走感。とにかく軽くて登りが速いという印象。反応の良さ=タメが少ない分、ペダリング効率が低い場合や、長距離やリラックスした走りでは疲れやすい場面がある。
  • PROPEL:エアロ重視のレーシングバイク。ストレートでの速さは明確でレース志向者に有利。
  • DEFY:万能寄りの快適重視。レース専用ではないが汎用性が高く、一本で多様な走行シーンをカバーしたい人に最適。

こんな方におすすめ

  • ロングライドで快適に走りたい人。
  • ヒルクライムや峠道を楽しみたい人。
  • 通勤でも使いたいし、週末はある程度の距離を走る。距離や強度などがまちまちだが一台で全部カバーしたい人。

最後に

GIANT DEFY ADVANCED SLは、明確な意図を持ってバランスを追求した一台だった。

「D-Fuse SLRシートポストと32Cチューブレスの組み合わせが、振動吸収性と軽快さという相反する要素をうまく両立させ、用途に応じて気持ちよく性格を変えてくれる。」とは先述したが、シンプルに速いし、乗り心地も良いから乗っていて気持ち良くて、楽しい。

日本ではTCRの人気が高いが、グローバルでDEFYに支持が集まる理由を実走で十分に理解できた。幸せに走りたいなら、DEFYは大アリだ。

「ほんとに良いよ、これ!えー欲しいなぁ、ホイールCADEXにするのもありだよなぁ」と購入を妄想するぐらいに良いバイクだった。

DEFY ADVANCED SL Frameset

【Frame】Advanced SL-Grade Composite, 12x142mm thru-axle, disc ※リアエンド型番:HG0001
【Fork】Advanced SL-Grade Composite, full-composite OverDrive Aero steerer, 12x100mm thru-axle, disc
【Seatpost】Giant D-Fuse SLR, composite, -5/+15mm offset
【Extras】コンピューターマウント、専用ボトルケージx2 ※コンピューターマウントの耐荷重は210g。
【Compatibility】電動コンポーネント専用フレーム ※必ず専用ステム「Contact SLR Aerolight Stem」もしくは「Contact SL Aerolight Stem」をご使用ください。
【Max Tire Clearance】38mm
【Price】¥462,000(税込)